活動報告

呼子丸03

大林宣彦監督作品『あした』に登場後、保存が検討されながら、
2000年8月の水没により解体される運命となった「呼子丸」。

水没後も、その復活を望む声がやむことはありませんでした。
そんな中で、解体された「呼子丸」に残されていた
船体プレートを唯一の手掛かりに当委員会再建調査の結果、
その船体を建造した 船大工・渡邊忠一氏が
愛媛県伯方島に在住している
事実が明らかになってこのプロジェクトは大きく動き始めました。

「呼子丸」は瀬戸内海を往来していた木造船
典型的なデザインを持っていました。
大林監督や映画関係者も認める美しさを併せ持ち、
木造貨客船の技術継承保存の意味合いや、
港町尾道を中心とした海運文化の展示とともに
映画のエンターテイメント性と併せて展示継承できる意義は
大きいと考えます。

いつしか時代の流れの中で失われようとしている
熟練の職人技=木造船体建造技術、 しかも、
まさに「呼子丸」そのものを建造したご本人との出逢いにより、
再び「呼子丸」が忠実な形でこの世に復活する可能性を得ました。

当初、向島兼吉バス待合室を展示予定場所とし、
1/8縮小、実寸2mで計画致しましたが
縮小度が大きく、船大工として、技術が生かせない事が判明。
渡邊忠一氏の工房や体力、技術の伝承等を総合的に再検討し
1/6=3.6mでの再建・保存を目指します。
細部に渡るデザイン考証、材木の選定などはできうる限り、
建造当時の仕様を踏襲いたします。

またこのスケールアップにより、
バス待合室では収容しきれない問題が発生し、
展示場所をバス停待合室裏に展示施設を建築する方向で検討中。
再建資料と映画撮影当時の資料と共に展示する計画です。

呼子丸02


  「呼子丸 1/8再建計画」の活動経過

平成12年
(2000年)
9月

映画『あした』の撮影終了後、木造船「呼子丸」の海上保存は困難を極めましたが、5年にわたり尾道市が維持管理。しかし老朽化のため、突然8月6日夕方に腐敗沈没。さまざまな観点から調査・検討されたが修復不可能との判断で廃棄処分となる。
 

平成13年
(2001年)
11月

「呼子丸 1/8再建おのみち実行委員会」発足。
解体された「呼子丸」に残されていた船体プレートを手かがりに、そのルーツを調査した結果 、1959年当時の建造者の1人である愛媛県伯方町の船大工・渡邊忠一氏のご健在が判明。
向島町兼吉バス待合室での保存展示のため、1/8サイズでの再建を目指して寄付募金活動をスタートする。

 

12月
中国銀行尾道支店ロビーで募金キャンペーンのために「呼子丸」パネル展を開催
『あした』撮影中の写真パネルを中心に、大林映画作品 の撮影台本、衣装、大道具なども合わせて展示。呼子丸再建の協力を呼び掛ける募金箱を置いた。
 
平成14年
(2002年)
1月

大林宣彦監督・恭子プロデューサーが「呼子丸」復元準備を進める船大工・渡邊忠一氏を初めて訪ねる。
「模型のミニチュアでは 『文化』は伝えられない。船大工である渡邊さんが造っていただくのだから、『一番大きい模型』ではなく、瀬戸内海で一番小さくてもいいから『本物の船』にして、 そして海で一度進水させてから展示すべきだ」とアドバイス。実物大(19m)の1/8(2.3m)の当初計画より、一回り大きい1/6(3.2m)で再建することに決めた。
併せて、展示予定場所は向島町兼吉バス待合室前の旧・岡本商店に計画変更。

 

7月

30日、これまでに集まった募金をもとに、船大工・渡邊忠一さんに再建工事を発注した。
この時に渡邊氏の手元に「だいふく」建造当時の図面が残されていたことが判明。船の忠実な再建を進める上で、貴重な資料となることが期待されます。
建造・保存費用にはまだ満たないため、引き続き募金活動は継続いたします 。
 

平成15年
(2003年)
6月
福屋尾道パブリックスペースにて募金キャンペーンのために「呼子丸」パネル展を開催
1年目の製作経過を写真とビデオで報告。
その他、尾道市内さまざまな会場でパネル展を開催しました。
平成16年
(2004年)
4月
船大工・渡邊忠一さんの手でより本物に忠実な「呼子丸」の1/6船体建造が終了。
現在、向島ドッグにて最後の仕上げとなる艤装製作を行っています。
8月進水式を執り行う予定です。 >>>>>[製作経過]
 

 
呼子丸1/8再建計画
=呼子丸 1/8再建おのみち実行委員会=